2011年4月30日土曜日

ARTing 6号 特集より

特集01 福岡:デザインの底力
 福岡市は、人口百四十六万人。全国的にも有数の魅力的な都市のひとつである。特に一九七〇年代から二〇〇〇年代にかけてめざましい発展を遂げた。一九七五年、山陽新幹線開通。一九七六年、天神地下街開業。一九八一年、地下鉄開業。一九八九年、よかとぴあ福岡博覧会開催、福岡タワー完成。一九九三年、福岡ドーム完成。そして今年、博多—鹿児島間新幹線開通。…ますます発展する福岡だが、そこには市民生活、地域社会、自然風土、伝統文化等々を明日のヴィジョンへとつなぎ実現して行く〈デザイン力〉があった。この特集では七〇年代以降の福岡市天神地区の発展を支えて来たデザインの底力にスポットをあてる。


特集02 生成する身体
 うれしくて飛び上がる。腕が鳴る。肩の荷を降ろす。腹を割って話す。足が重い。——身体の動きと心の動きとが溶け合うこれらの表現は、日本人が日常生活で何気なく使う動作や言葉である。心と身体とがいつも一つであること、それは人間存在の本来の姿であろう。ところが今日、心と身体のギャップが起こっていないだろうか?
 ダンスパフォーミング・アーツは、従来の西洋バレーやモダンダンスの様式にこだわらず新しい表現スタイルの創造を通じて、心と身体のトータルな表現世界をめざすアートである。
 福岡の舞踏家・原田伸雄氏主宰の「肉体の劇場」が本年5月29日で3周年を迎える。その節目の記念として福岡のダンスパフォーミング・アーツの特集とした。
 なお円谷裕二氏にご寄稿頂いた巻頭エッセイも合わせて読んで頂きたい。