2009年11月14日土曜日

第2号 あとがき 「編集室より」

【編集室から】
 最近、福岡ではギャラリーの数が増えアート活動が盛んになっているようですね、と言う声をしばしば耳にする。街中あrでは、建築からファッションまで斬新なデザインが人目を引いて賑やかだ。ゲームやメディア界においても全国から注目される街になっている。目立たないが、アートを支援するボランティアたちの活躍も忘れてはならない。世界的な経済危機の中にあってさえ、こうしたアート活動のエンジンが動き続けていることは実にいいことだと思う。
 本誌〈ARTing〉は、そんな〈現在進行形の芸術文化〉の生き生きとした現場を中心に、二十一世紀にふさわしいアートのスタイルを探ってゆこうとするものである。リゾーム状に増殖し拡大を続ける多様なアートが、時代に触れるその先端でどんな意味を発生しているのか、社会の中でどんな文脈を創り出そうとしているのか。― 今日、半歩先さえ見えない時代状況だからこそ、アートの足元辺り(=場所)からしっかりと見極めて行くこうした作業が必要な気がする。
 本誌は、いわゆる情報誌でもなく、学術論文集でもなく、また商業雑誌でもない。求められてはいるが成立しにくい雑誌である。しかも福岡初ということで道なき道。だが幸いにして多くの方々のご厚意によりパブリックな発行形態に向かいつつある。今後は、福岡のアート活動の現場をゆるやかにカバーしながら、時代のアートを共に創造し思考してゆく雑誌として、あるいはまた時代のアートのドキュメントとして、ゆっくり育てて行ければと思っています。ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。